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2021年1月23日(土)、みらいのまちをつくる・ラボの研究成果を発表する第2回Oimachi Research Form「Withコロナ・Afterコロナ時代のまちづくりを考える」がオンラインで開催されました。ここでは「スマートシティプロジェクト」(環境情報学部 厳網林研究室)によるセッション3「2つの日常を生き抜くために」の要旨をレポートします。現地調査と国際ワークショップをふまえた「大井町の未来」の提案とともに、「コロナ対策とまちづくりは同じ。行動しなければ変わらない」とのメッセージに、多くの共感の声が寄せられました。
*第2回Oimachi Research Form全体のレポートはこちらをご覧ください。

◆第2回Oimachi Research Formセッション3
2つの日常を生き抜くために(環境情報学部 厳網林研究室)

(1)ウィズコロナを生き抜くために(厳網林教授)

・この1年で「日常」はどう変化したのか。なぜコロナの先が見えないのか。大井町を中心に都内近郊の駅や公園、喫煙所でのマスク着用率や行動観察、商店街や店舗、公共の場での掲示物や消毒液の設置状況などを調査した。
・その結果わかったことは、個人としては春夏秋冬でマスクにも慣れ、感染対策を徹底できたが、公共の場では必ずしも徹底されておらず、それが「ウィズコロナ」を長引かせているということである。コロナは待てば消えるものではなく、あらゆるリスクを考え、感染防止を徹底しなければ「アフターコロナ」はこない。

(2)アフターコロナを抜く生き抜くために(厳網林教授/環境情報学部2年春日裕信さん、4年高尾颯さん)
・日常は災いがあるたびに奪われ、やがて新しい生活が生まれていく。どこに目標を置くのかはそれぞれのまちによって異なる。大井町も災いのたびに生まれ変わってきた。現在進行中の再開発も、アフターコロナのニューノーマル(オフィスの都心撤退、個人の二拠点居住など)に適合しているか考える必要がある。つまり未来を見据えたまちづくりが重要だ。
・私たちは2019年に国際ワークショップを開催し、大井町の未来の姿をデザインした。それは新規の大規模開発による激変と従来街区の緩やかな更新構造を刺激しあい、これからの都市に必要な食料・水・エネルギーの生産、消費、販売、交流の循環型生態系を形成し、住みやすく、働きやすいまちである。

・アフターコロナはまち全体の歩行環境、自転車環境の整備も重要である。大井町の現状を調査すると、歩行量が集中する個所の存在、歩道・自転車専用レーンの少なさ、段差や放置自転車などによる危険性など、さまざまな課題があることがわかった。
・大規模開発は、まち全体を考え直すきかっけになる。私たちはデザインワークショップと現地調査をふまえ、水と緑と食料エネルギーをネットワークにして、Walkability、Cyclablityをより高めて地域全体をつないでいくことをビジョンにしている。大井町には資産とチャンスがある。みんながともに考え行動することで、次世代を担うまちになれるだろう。

◆参加者からの感想・意見(抜粋)
・コロナウイルスの影響により日常生活がどのように変化してきたのか改めて理解が深まりました。
・まちづくりとコロナ対策は同じという発言にはっとした。どちらも誰かがやってくれるだろうと人任せにしてもなにも動くことはなく、むしろ悪い状況が続いてしまう。コロナで活動が制限される中でも何ができるのか改めて考えるきっかけとなった。
・過ぎ去ったことからこれからを予測することは大事ですね。活動は待てば起こる事ではない、ということが印象に残りました。
・大井町は電動自転車なら20分で隅々まで行けるので、コロナ禍であることも含めて『自転車利用が便利な街』になるといいと思います。新しく出来るであろう公園地区も自転車置き場は有料になってしまうかと思いますが、2時間まで無料タイプだといいのになと考えながら聞いてました。何にしてもとにかく踏切が分断してるところだけは何とかお金が掛かっても地下道などになるといい。
・生き抜くのは日々の積み重ねによって実現することなので小さなことを丁寧に継続しようと思った。
・歩行者ネットワーク解析の方法についてもう少し聞きたかった。居住者と非居住者の違いと検索方法について。
・今後、テーマを拡張して、俯瞰的な分析並びに居住者の意見を取り入れて問題解決することを期待しています。
・まさに今、必要とされていることであり、今後の活躍に注目したい。
・道路状況や人の込み具合などの調査結果は、重要なデータであり、品川区の担当部署にも提示したい。
・人間主体の取り組みが有効であると感じた。
・大井町に対する分析の視点やアイディアが参考になった。

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