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2021年1月23日(土)、みらいのまちをつくる・ラボの研究成果を発表する第2回Oimachi Research Form「Withコロナ・Afterコロナ時代のまちづくりを考える」がオンラインで開催されました。ここでは「大井町コミュニティキャンパスプロジェクト」(総合政策学部 宮垣元研究室)によるセッション4「コミュニティづくりのいま~オンラインワークショップの可能性」の要旨をレポートします。ハード(空間)、ソフト(学びのテーマ)の両面からのアプローチとその成果に対し、「地方でも応用できそう」といった反響が寄せられました。
*第2回Oimachi Research Form全体のレポートはこちらをご覧ください。

◆セッション4(15:05~15:30)
コミュニティづくりのいま~オンラインワークショップの可能性(総合政策学部・宮垣元研究室)

(1)大井町コミュニティキャンパスプロジェクトとは(慶應義塾大学 宮垣元教授)
・本プロジェクトは、新しい時代のコミュニティづくりの要諦を、多様な人びとが立場を越えて学びあうことで相互変容するプロセスにあると捉え、その実現可能性、持続可能性の高いあり方を導出することを目指している。ハード(空間)と、ソフト(学びのテーマ)の両面からのアプローチで進めている。
・空間づくりにおいては、建築家の長岡勉氏とともに「アクティブマテリアル」を開発している。昨年は会議室などの無機的な空間を、多種多様なコミュニティ活動ができる空間に変えることができるアイテムを開発した。室内に集うことが難しくなった今年は、屋外でちょっとした集いができるようになる「屋台」(通称パタパタ)を開発している。

・学びのテーマについては、「45歳からの起業」というテーマで関心ある人びとの学び合いによるライフシフトの可能性について、「多世代シェアハウス」というテーマで育児のようなケアをともに行える可能性についてを題材に、幅広いネットワークを構築してきた。「地域連携教育」でも地元の生徒と企業をつなぎ地域が教育に関わっていくしくみを検討し始めている。

(2)45歳からの起業研究会報告(慶應義塾大学SFC研究所 河野純子上席所員)
・「45歳からの起業研究会」は、セカンドキャリアに悩む中高年会社員を対象に「起業という選択」について学びあう研究会である。昨年度は大井町のラボの場を使って、ロールモデルを招いたセミナーやワークショップを開催し好評を得た。今年度はすべてオンラインに切り替えている。
・オンライン開催で得られた気づきは3点。①参加者の多様性が広がった。居住地はもちろん、年齢や職業の幅も広がった。また帰宅時間を気にせずに参加できることから女性参加者も多かった。②自宅からの参加というリラックスした雰囲気の中で、率直な意見交換がなされ豊かな交流が実現した。また③会社以外の多様な人やロールモデルと出会える場としての満足度も高く、今後もオンラインを活用して活動を継続していく。

(3)多世代型シェアハウス研究会報告(慶應義塾大学SFC研究所 福澤涼子上席所員)
・2世代以上が一緒に暮らすシェアハウスを「多世代型シェアハウス」と呼ぶ。主に育児をしているシェアハウスを研究対象とし、その居住者をゲストに招いた勉強会を通じて、実態、価値、課題を広く言語化していく。今年度は6回の勉強会をすべてオンラインで開催した。

・オンライン勉強会の特徴として3点、報告する。①参加者の多様性(エリアや年代の垣根のない参加者が得られた。またオフラインでは参加しにくい育児従事者の参加もあった)②多様なコミュニケーション(チャットを通じた初対面同士の共助関係がみられた。また勉強会終了後に自由に話す「放課後タイム」が生まれた③コミュニティへと発展(オフラインでの交流や連続参加者の増加がみられた)。

◆参加者からの感想・意見
・地方の地方の小都市にも参考になります。
・オンラインワークショップ、多様な人の参加がみられたとのこと。私は地方在住ですが、コロナの影響でオンライン講座が増えて、普段だったら子どもを置いて家を空けられないところですが、このように講座に参加できてとても嬉しいです。これからもこうした取り組みが広まっていくといいです。
・リアルで直接の活動ができない中でも、オンラインだからこそ出来ることを積極的に取り組まれていたのが印象的だった。コロナの影響でオンラインが当たり前となる今、これからの時代のコミュニティとは何かの定義が転換される時期なのではないかと感じた。
・多様な人の話を聞くことは大事ですね。アントレプレナーシップを聞いて、どう動いたかの追跡調査を行って、傾向を分析して、更なるアントレプレナーシップに活かして欲しい。
・2つの事例共にとても興味深かったです。リアルで会えるのが一番ではありますが、それが難しい方たちもいますし、オンラインであればリアルではどうしても扱えなかった分野にリーチできますね。
・「パタパタ」、おもしろいですね。青空会議とかしてみたいと思いました。良いアイデアも生まれそう。
・大変に興味深い内容であった。ワークショップ等からいかにその先のコミュニティ形成まで至るか楽しみである。
・地方にもワーケーションや農山村留学ができる受け皿となるシェアハウスを作って中長期滞在に対応できる必要があると考えている。が、都市からIUJターンと二地域居住者には役立つかもしれないが、地方在住者にはシェアハウスに住むという概念や慣習がないように思われる。地域の内外の融合により、新しい価値が生まれると期待できると思っているのだが。
・コミュニティを作るのには地道な道のりがあることを知った。
・育児シェアハウスは興味深い事例であり、もう少し詳しく内容を知りたい
・大井町キャンパスプロジェクトの内容は大井町以外でも適用できそうで興味深かった
・45歳からの起業研究会に興味があります。大井町のコミュニティづくりに適していそう。

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