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大井町コミュニティキャンパスプロジェクトは、4月28日(水)20時から、多世代型シェアハウス研究会の第8回『暮らしをつくるシェアハウス~いとしまシェアハウス公開インタビュー』を開催しました。主催は慶應義塾大学SFC研究所上席所員の福澤涼子です。ゲストに福岡県糸島市にある「いとしまシェアハウス」の運営者である志田浩一さんをお招きして、その暮らしのコンセプトや実態、取り組みについてお話を伺いました。

【勉強会概要】
日時:2021年4月28日(水)20:00~21:30(90分)
開催方法:オンライン(Zoom)
参加者:19名(うち9名が当勉強会の初参加者。20~60代まで幅広い年齢層が参加)
参加費用:無料
ゲスト:志田浩一(いとしまシェアハウスの運営者。一児の父。)
主催・モデレーター:福澤涼子/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

【いとしまシェアハウスについて】


福岡県糸島市にあるシェアハウス。現在は、1組の親子も含め8世帯が暮らしている。
「人に優しい・まちに優しい・地球に優しい」シェアハウスとして、地域にも開かれたエコなシェアハウスでもある。

特徴的なのが、その生活スタイル。「暮らしをつくる」をテーマとし、食べ物とエネルギーとお金をつくることを目標としている。食事は自給自足でお米を作ったり、魚を自ら獲って来るところから。エネルギーも太陽光発電や、床下の薪暖房などで出来るだけ自分たちで作るように工夫し、それらの暮らし体験を提供することで、お金を得る生活をしている。詳しくはこちら(いとしまシェアハウスHP)。

【勉強会レポート】
志田さんから非常に多くの有意義なお話をいただきました。ここでは特に印象深いかったエッセンスをご紹介します。

消費する暮らしから作る暮らしへ
福澤:志田さんご夫婦は、東日本大震災をきっかけに「消費する暮らしから作る暮らしへ」という想いに至ったそうですね。具体的にはどんな暮らしをされているのですか?

志田:「食べもの・エネルギー・お金」の3つを自分たちでつくることを目標にしています。そのため食べるもの、例えばお米や野菜は近所の田んぼや畑を借りて自分たちで作っています。海も近いので、塩を作ったり、魚を獲ったり、狩猟をして肉を作ったりもしています。エネルギーという点ではソーラーパネルを作ったり、自分たちで薪暖房を作ったり。お金を作るという点では、里山の暮らしを経験できるような稲刈り体験、鶏をしめるワークショップ等を企業の社内研修などに提供しています。


▲食材の魚を自ら獲っている様子

福澤:暮らしを提供してお金を得ているということですが、自ら育てた作物を売ってお金も得ているのでしょうか?

志田:自分たちで作ったものは売らないと決めているので、それはしていないんです。理由は、作ったものを売ると価値が下がってしまう気がするから。

僕たちは、物質的な生産性が低いので、ごく僅かしか作れない。例えば、田んぼに力を入れているんですけど、年間900キロくらい作るので自分たちで消費するよりは少し余るんです。それで、余剰分を売ることもありだとは思うのですが、それをいくらで売るかと考えた時に、自分でかけた想いに対して、今の世の中で合っていないなと感じてしまったんですよね。もし売るとしたら、1キロ1万円以上の価値があると思っていて、けど、それだと日常的に食べられないですよね。けど僕たちは日常的にありがたいなと思いながらも、贅沢品とかではなく普通に食べているし、そうあるべきだとも思う。

だからこそ売るのではなく、物々交換が良いと思っていて、何かしてもらった際のお礼の品としてあげたりしています。例えば、友達に、写真を撮ってもらったから代わりにあげるとか、お米とiPhoneを交換したりとか、猪肉とMacbookを交換したりとか。自分たちで作り出せないものを、自分たちで作り出せるものと交換していることが多いです。そうするとお互いに得した気持ちになるのも物々交換の良いところなんですよね(笑)。

シェアハウスの運営 すべてが食に向かう生活
福澤:シェアハウス運営にまつわる話も聞かせて下さい。いとしまシェアハウスは、どのように運営されているんですか?

志田:細かいルールがあるというよりは、都度話し合ってコミュニケーションを取るというのが前提としてあります。ただ一つ重要なのが、「晩ご飯は皆で作って、皆で食べる」ということ。

僕たちの生活は、ある意味、普段の生活が全て食に向かっているんですよね。だから、「食べる」ということをすごく大切にしていて、毎日1人1品をつくってそれを皆で食べるようにしているんです。

福澤:え!一人一品を毎日ですか?!文字通り「皆で」作っていらっしゃるんですね。

志田:はい。当番制にするとね、当番が嫌になっちゃうことがあるので。だからみんなで作る。もちろん分業した方が効率は良いのは分かります。けど効率が悪い方が、コミュニケーション効率が良いんです

福澤:それはシェアハウス界隈でよく出る話ですね。一見、非効率なことがシェアハウスだと結果的に効率が良くなる。

志田:そうですね。だから入居を受け入れる際にも、「毎日ご飯を作る、それ以外に週に1回、農作業の日、掃除の日、DIYの日など決めてみんなでやっている。それらに参加出来ますか?」と事前にアナウンスをしていて、「大丈夫です」という方のみ受け入れています。

勉強会を終えて(福澤涼子)
今回、はじめて首都圏以外のエリアのシェアハウス運営者をゲストにお招きするということで、どんな違いがあるのだろうと興味津々で臨みましたが、想像を遥かに超えるその生活の違いに驚くばかりでした。特にその生活のほとんどが「食」に向いていて、その「食」のために皆で働くと言うのは、都心部で暮らす私にいろいろな気づきを与えてくれました。

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