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2024年12月20日、大井町・SFC研究所「みらいのまちをつくる・ラボ」にて、『デジタルエリアデザインの共創in大井町』プロジェクト※ の一環として、地理情報ソフトGeoAIをテーマにした技術セミナーが開催されました。約20名が参加し、新技術を体験しながらウォーカビリティの可能性を議論しました。

※『デジタルエリアデザインの共創in大井町』プロジェクトとは
品川区、NPOまちづくり大井、SFC研究所による官民学連携プロジェクトであり、東京都の「スマート東京先進事例創出事業」支援プロジェクトです。大井町をフィールドに地域主体でスマートなウォーカブルシティを共創し、未来型のまちづくりモデルを提示します。詳しくはこちらをご覧ください。

GeoAIとは?
GeoAIは地理空間人工知能の略称であり、地理情報ソフト(GIS)にAIを掛け合わせた新しい技術です。GISはGoogle Mapやカーナビなど、日常生活でも利用される技術ですが、AIとの組み合わせによってさらに幅広い応用が可能になります。

本セミナーの目的
大井町ではウォーカビリティー向上に向けて活発な議論が展開されており、『デジタルエリアデザインの共創in大井町』プロジェクトにおいても2D/3Dデジタルマップの整備が進められています。それを実利用へと発展するため、今回はGeoAIを用いて実際にまちづくりの話題を地図上に落とし込みシミュレーションすることで、参加者の皆さまとウォーカビリティ支援の可能性を検討します。

登壇者
厳網林 慶應義塾大学環境情報学部教授(『デジタルエリアデザインの共創in大井町』プロジェクト代表)
大場章弘 中央大学研究開発機構機構助教(GeoAI開発者)

セミナーの様子
はじめにGeoAI技術を研究調査してきたGISA/GeoAI分科会の活動を振り返ったところで、チームメンバーが独自開発した生成系GeoAIツール「Mapbotica」を参加者に体験していただきました。このツールはブラウザ上で動作し、AIとのチャットを通じて地図を生成することができます。

試しに参加者のパソコンで「JR大井町駅から500m圏内のコンビニ件数を集計してください。」と打ち込んでいただきました。すると簡単に、大井町駅から500m圏内のコンビニの位置情報と件数が画面に表示されました。

(実際の参加者のパソコンの画面)

セミナーには経験者から初心者の方まで参加されましたが、厳網林教授や大場助教が各テーブルを回りサポートすることで、全員がスムーズにツールを体験することができました。また参加者同士で教え合う場面も見られ、活発な交流が行われました。

(厳教授と大場さんがサポートしている様子)


(参加者同士で教え合う場面)

後半では、まちなかを歩きながらデータを登録する方法も紹介されました。参加者がAIのチャットボックスに自由に質問を入力し、セミナーの最後では作成した地図を全員で共有して意見交換を行いました。特に興味深い結果には、先生も感心されていました。

(参加者の作成した地図を全員で共有する様子)

参加者の感想(抜粋)
・品川の地元区民としても、測量を仕事とするものとしても、とても興味深いセミナーだった。
・普段は街歩きという観点で街を歩いていないので、今回は新しい視点を得られた。
・非常に勉強になった。普段電車で移動しており意識しないが、歩道の段差などはこれから考える必要があると感じた。
・初めて参加した。仕事で測量をしていて、GISをしているのとAIを合わせたいという要望が多いので、今回の経験はすごく参考になった。

まとめ
今回のGeoAIセミナーでは、新技術の体験を通してデジタルエリアデザインによるウォーカビリティの可能性を検討することができました。今後も引き続き2D/3Dデジタルマップを整備し、街にご関心のある方々とも活発に交流を深めていくことで、未来型のまちづくりモデルを進めていきます。

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

(レポート/慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 濱口夏冴)

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