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2021年1月10日(日)に、「KIDA(キーダ) PROJECT2020〜江戸の伝統技術で未来の東京をデザインする」に参加した小学生15名、高校生8名による研究成果発表がオンラインで実施されました。「KIDA PROJECT」とは、慶應義塾大学SFC研究所上席所員 醍醐身奈による「探究学習の研究*」に、新商品開発プログラムを実践しているキャリア教育のキッズMが参加して発足したプロジェクトです。子どもたちが江戸の伝統を受け継ぐ職人から「本物」を学び、現代・未来に溶け込む新しい「商品・サービス」を開発。地域産業を担う企業にプレゼンテーションを行ってその実現を目指すというプロセスの中で、子どもたちの「課題解決力」を育むものです。
*都市部における「学びの場」での「探究のプロセス」に着目した指導方法と教材の開発

【プロジェクト発足の背景と狙い】
醍醐上席所員は、本プロジェクトの背景と狙いをこのように語っています。
『東京には、時代を越えて受け継がれてきた伝統工芸品が数多くあります。しかしながら、子どもたちがそれらに触れる機会は少なく、継承していくことも難しくなっています。私は「みらいのまちをつくる・ラボ」代表の飯盛義徳教授の講義を受講してから、日本における「後継者問題」が深刻化していることに強い関心をもち、この問題の解決策の一つとして、今回の「KIDA PROJECT 2020」を立ち上げました。

このプロジェクトは、本来、大井町のラボで子どもたちと対面で行う予定でしたが、コロナによる影響でそれが難しくなってしまいました。しかしキッズMさんとタッグを組んで、オンラインに切り替えて子どもたちの学びを止めない、様々な工夫を行いながら約2か月間のワークショップを進め、子どもたち(小学生~高校生)が主体となり、江戸の伝統技術を活かした「商品・サービス」を開発してきました。この活動を通して、「東京の伝統工芸士」や「地域産業の企業」と子どもたちの接点や、課題などを考える機会(コミュニティ)をつくっていきたいと考えています』
*本研究は、博報堂教育財団「2020年度 児童教育実践についての研究助成」を受けています。KIDA PROJECTの詳細はこちら

【プレゼンテーション当日の様子】
プレゼンテーションは午前の部、午後の部の2部制で行われ、大井町にある「品川職人組」の職人さんをはじめ、中央区や墨田区の職人さん、そして企業の方など各部28名の方に参加いただきました。

子どもたちは、一人5分ずつのプレゼンテーションを行い、自分たちが考えた伝統工芸品を使った新商品を、工夫を凝らしてアピールをしました。小学校3年生も多く参加しましたが、手書きのプレゼン資料やPowerPointを用意し、参加者から絶賛される素晴らしい発表を行いました。また江戸切子や江戸刺繍、漆塗り、表具など様々な分野からご参加いただいた職人さんからは、貴重なご意見やアドバイスをいただけました。


「子どもたちが実際に職人さんや企業の方にプレゼンをする、またそれをオンラインで実施するというのは、本プロジェクトにおける大きなチャレンジでしたしたが、新しい時代の教育として、今後もこのプロジェクトを発展させ、「未来のまちをつくる」子どもたちを、応援していきたいと思います」(醍醐上席所員)。

なお本発表は、KIDA PROJECTのAコース(昨年11月にスタート)に参加した子どもたちによるものです。今後Bコース(本年1月スタート)も始動していきますので、ご注目ください。

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