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2021年1月23日(土)、みらいのまちをつくる・ラボの研究成果を発表する第2回Oimachi Research Form「Withコロナ・Afterコロナ時代のまちづくりを考える」がオンラインで開催されました。ここではセッション1「eSports for all~オンラインのつながりを目指して」(環境情報学部・加藤貴明研究室)の要旨をレポートします。eSportsをヘルスケアと多世代交流型のまちづくりに活かす最先端の研究報告に、参加者からは「eSportsに大きな可能性を感じた」など多く反響が寄せられました。
*第2回Oimachi Research Form全体のレポートはこちらをご覧ください。

◆セッション1
eSports for all~オンラインのつながりを目指して(環境情報学部・加藤貴明研究室)

(1)eSports研究が目指す方向性(慶應義塾大学 加藤貴明准教授)
・いま社会はよりデジタルな方向にシフトしており、世界のeSports市場は2023年には15億ドルになると見込まれている。学術論文もポジティブなものが増えており、中でも当研究室は視覚機能(知覚・認知・記憶)の向上に注目している。特に高齢化が進む日本においては、地域密着・ヘルスケア業界・高齢者施設での活用といった研究が有望である。

・実際に大井町のラボにおいては2019年から高齢者のみなさんを対象に「健康講座」を開催し、注意機能の向上といった成果をあげている。今後はeSportsとヘルスケアを組み合わせ、子どもから高齢者まで多世代交流の場づくりでまちづくりに貢献していきたい。

(2)「健康講座」の成果(株式会社プレイケア代表 川崎陽一氏)
・国は高齢者のフレイル(虚弱)予防として“通いの場”を増やしており、いま全国に10万6000か所の施設がある。しかし高齢者の参加率は5.7%。楽しくかつ効果がなければ通ってもらえない。そこでコンテンツ開発やそれを運営できる人材育成が重要である。
・私たちは加藤研究室とともに2019年5月より、大井町のラボにて毎週2時間、体操とeSportsを組み合わせた健康講座を提供し、2020年2月までに延べ600人以上の方にご参加いただいた。確実な成果があがっているものの、全国の施設と同様、男性の参加者が少ないことが課題である。同時に、今回のコロナ禍をうけ、コンテンツのデジタル化と在宅支援が急務である。

(3)オンライン化への挑戦/環境情報学部3年の小野友生さん
・コロナ禍により大井町のラボでの健康講座の継続が困難になったことから、オンラインでの開催を検討した。まず大井町の健康講座参加者にアンケート調査を実施。44名から回答を得て、健康講座再開への期待が高く、また各家庭におけるネット環境も充実していることがわかった。
・操作補助者の有無も考慮し、1名の被験者(78歳・女性)を選定してオンライン講座を試験的に開催。2つのオンラインゲームに取り組んでもらい、ヘルスケアに有効と思われる自己効力感の変化を計測。結果としは即時に変化はみられなかったが、オンラインでも健康講座が開催できることがわかり、今後の展開に有益な示唆を得ることができた。

<参加者アンケートより>(抜粋)
・意外な視点で、興味深い話題でした。
・「eSports for all」をまちづくりに使えますね!
・e Sportsに大きな可能性を感じることができた。
・ゲームを実際のまちづくりにこのように活用できるのか!と大変勉強になりました。高齢者とゲーム、コロナ時代にも可能性を感じます。健康寿命を延ばして生涯活躍のまちづくりが進みそうです。
・eスポーツはスポーツゲームという印象があったが、高齢者の健康増進にも役立てることができるということが、とても魅力的で今後の地域交流を促進する方法の一つだと思った。またオンラインでできる点も、アフターコロナの時代において新しいコミュニケーションツールだと感じた。
・eSportsはあまり健康的な印象ではありませんでしたが(視力が落ちそう、外で遊ばなくなるなど)、高齢者のフレイル対策にはなるほど良さそうと思いました。特に高齢男性で予防などに全く関心のない層には興味を持たれると思います。更にエビデンスを用意する必要はあると思いました。
・もう数年で60代となる身ながら、コロナ禍でスマホの無料ゲームにはまっていますが、「仲間と」「リアルな画像で」「おしゃべりや体操も組み合わせて」出来るeSportsが身近にあるといいなあと思いました。
・高齢者の方は慣れていないのでどこまで普及出来るのか、効果はあるのかまだまだ研究の余地があると思った。
・子供にゲームはどうなのでしょうか?子供からお年寄り、様々な年齢・分野に対しての有用性について、ぜひ研究を深めていただきたいと思います。
・physicalとcyberのスポーツインタラクションスキルの解明が、今後のスポーツの普及、楽しみ方の変革をもたらすものと期待しています。

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