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「FMしながわ」では、2020年4月より、慶應義塾大学 飯盛義徳研究室・大井町元気プロジェクト所属の学生によるレギュラー番組『みらいの大井町をつくる・ラボ』が放送されています。コンセプトは、大井町や住民の方の「いま」と「みらい」。大学生ならではの目線から大井町の魅力や可能性、住民の方の生の声を発信しています。8月7日(水)18時から、第53回目が放送されました。

今回のパーソナリティーは、大内雄翔(3年)、小林奈菜(2年)が務めました。今月も「もっとしなラジ889」FMしながわのスタジオから、生放送でお送りしました。

■8月の放送内容

1.オープニング

本日は、立正大学経営学部川村ゼミから榎本花純さん、相原奏芽さんの2人のゲストをお招きしました。お2人は今回がラジオに初挑戦ということで、意気込みをいただきました。

相原:初めてのラジオでとても緊張していますが、夏祭りや大井町の魅力が伝わるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

榎本:私もとても緊張していますが、普段関わりのない方と1時間じっくり話して、貴重な時間にできたらと考えています。よろしくお願いいたします。

私たち飯盛義徳研究室大井町元気プロジェクトと立正大学川村ゼミは、8月24、25日に開催される「大井どんたく夏祭り」に一緒に出展します。具体的な企画についてお聞かせいただきました。

相原:立正大学川村ゼミでは、オリジナル竹とんぼを作るワークショップを開催します。作っていただいた方には、グッズやカトラリーをお配りする予定です。

大内:飯盛義徳研究室はオリジナルマイバックを作るワークショップや、5月放送で出演していただいたママズオンさんと一緒に出展し、風鈴づくりと写真立てづくりのワークショップを開催します。5月の放送の際に「大井どんたく夏祭りで何か一緒にできたらいいですね!」ということをお話していたことが、ついに実現すると考えるととても感動です。

みなさんもぜひ、大井どんたく夏祭りに足を運んでみてください。

2.みらい対談

続いてのコーナーは、大井町への思いや、ゲストの思い描く未来についてお話を伺う、「みらい対談」です。今回は、大井町駅周辺でお茶会やイベントを開催し、茶の湯を通して和の文化を分かちあう活動に取り組まれている、NPO法人「喫茶去Cha Know You」の岩田玄二さん、美夏さんにお話を伺いました。

Q.まずは自己紹介をお願いします。
玄二さん
:大井町でお茶を楽しみ、またお茶に関係するお茶碗や焼き物を作る活動をしております、岩田玄二と申します。よろしくお願いいたします。
美夏さん:同じくNPO法人「喫茶去Cha Know You」で毎月、茶の湯体験をしています岩田美夏です。本日はよろしくお願いします。

Q.NPO法人「喫茶去Cha Know You」のご活動について教えてください。
美夏さん
:毎月、初心者の方や外国人の方、経験はあるけれど最近あまり茶の湯に触れていない方も気軽にご参加いただける茶の湯体験を開催しています。そのほかにも茶杓づくりや、さまざまなコラボ企画を提案しています。イベントでお抹茶を点てたり、区内の陶芸教室「陶遊会」と共同で、ご自身が作ったお茶碗でお抹茶を飲むお茶会を開いたこともあります。

Q.NPO法人「喫茶去Cha Know You」に込められた思いを教えてください。
美夏さん
:「喫茶去(きっさこ)」というのは「ちょっと一服お茶しましょう」という意味です。そして、”Cha Know You(ちゃのゆ)”は英語で「お茶はあなたを知っている」という意味で、茶の湯の時間が自分と向き合う時間になるということを示唆しています。また、茶道には季節のお菓子や花、茶室や茶碗などの茶道具、建築や陶芸、着物、絵画、書道などありとあらゆる日本の文化の融合であり、自分の興味関心がどこかひとつに必ず見つかるということも、名前の由来です。

Q.掛け軸に込められた思いを教えてください。
玄二さん
:今日の掛け軸は、丸を一筆で描いた円相と「喫茶去」です。大井町駅から旧仙台坂を下りて第一京浜の手前にある泊船寺の和尚である千代田玄海さんが、京都の大徳寺の宗務総長でいらしたときに、NPO法人「喫茶去Cha Know You」理事長の中谷さんが副理事長の宮原さんとお訪ねした際に書いていただいたものです。玄海さんは大井地区少年野球連盟の理事長で、中谷・宮原・岩田の息子たちがお世話になった少年野球チーム「立会キングス」の代表でもあります。約20年前からのご縁にちなんでNPO法人「喫茶去Cha Know You」設立の際、玄海さんの円相をロゴマークに使わせていただくことにしました。

Q.活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。
美夏さん
:息子たちが大井町の少年野球チーム「立会キングス」で野球をやっていたときの出来事がきっかけです。いっしょに試合を応援していた保護者のひとりが大井町のご自宅で表千家のお稽古をされていたので、まず夫がお稽古させていただきたいとお願いし、その後まもなく私も始めました。普段のお稽古に加えて、お茶事やお茶会などもずっと当たり前のように楽しんでいましたが、コロナをきっかけに、改めて茶の湯を楽しめることに感謝すると同時に楽しみ方にも工夫が必要になると実感しました。そこで、自分たちでできることから始めようと、中谷先生が2022年1月にNPO法人「喫茶去Cha Know You」を立ち上げました。「できることやってみる」をモットーに活動を進めています。

Q.現在大井町で活動をなさっていますが、どうして大井町を選ばれたのでしょうか?
玄二さん
:私たちの先生である中谷先生は高知県出身なのですが、実は高知と大井町は深い関わりがあります。例えば、大井町の浜川中学校は当時土佐藩の下屋敷があった場所でした。また、立会小学校の隣には土佐藩十五代藩主山内容堂の墓もあります。このような高知と大井町のご縁を大切にして、中谷先生の本拠地である大井町で活動をしております。

美夏さん:NPO法人「喫茶去Cha Know You」の立ち上げに携わったメンバーは長年、大井町でお稽古をしていたり、住んでいたことがあったり、大井町にゆかりのある人たちで、私たちも大井町に住んでいますので、毎月、大井町で茶の湯体験を開催しています。大井町駅前の「きゅりあん」7階には広くて立派な茶室があり、広間と小間、お庭や蹲、茶道具も揃っていることも、品川区が伝統や文化に力を入れていると感じます。また、交通のアクセスの良さも大井町で活動していく上でのメリットだと感じています。

【懐石料理&お茶菓子実食リポート】
大内:本日はスタジオ内にお茶の道具や、たくあん、お茶菓子までご用意いただいているのですが、早速榎本さんに実食していただきましょう!

榎本:(たくあんの咀嚼音)

小林:なんでたくあんなのでしょうか?

玄二さん:これには大きく2つ意味があります。
1つ目は、たくあんはお茶事の懐石料理の終わりに必ず出てきます。多くの人はお菓子を食べてお茶を飲むという流れを想像していらっしゃると思いますが、お茶はフルコースの中のフィナーレ、デザート的な存在です。きょうは、懐石料理はお持ちできませんでしたが、ラジオでもいい音がお届けできると思いましたし、懐石料理の代表としてたくあんをご用意しました。

2つ目は、江戸時代の沢庵和尚という高僧に由来しています。千利休が豊臣秀吉に切腹させられ、断絶されそうになって苦労していた千家を、紀州徳川家への仕官に力を尽くしたのが沢庵和尚です。いわばいまにつながる三千家を作り上げた功労者といってもよいのです。沢庵和尚は三代将軍徳川家光がたいへん尊敬していた方で、沢庵和尚に江戸に来ていただくために品川に東海寺を作らせました。沢庵和尚のお墓が大井町からすぐ近くの東海寺にあるのはそのためです。

大内:それでは次に、お茶菓子も実食していただきましょう!

相原:(お茶菓子実食) 食感がもちもちしていて食べやすいのと、中のあんこが甘すぎずさっぱりとしていて何個でも食べられてしまいそうです。

美夏さん:茗荷谷の「一幸庵」のういろうです。ひょうたんの形をしているのは、昔、 ひょうたんは水筒として夏には欠かせない必需品だったことに由来しています。水に青い紅葉がひとひら落ちているのも夏らしさを表しています。

玄二さん:七十二候の「涼風至る(すずかぜいたる)」という、涼しい風を感じる名前のお菓子です。

3.特別企画「音で感じる大井町」

本日お送りする特別企画は「音で感じる大井町」です。岩田さんの活動である茶の湯の「音」に焦点を当てて、さらに町の音やお祭りの音についても話していきます。
本日は美夏さんにスタジオにてお抹茶をたてていただきます。それでは早速、お茶の音に耳を傾けてみてください。

【茶の湯体験リポート】
実際にスタジオでお抹茶をたてていただきました!

榎本:まず、香りも良く、苦みの中に甘みやさっぱりした味わいも感じられて、とても飲みやすいです。先ほどいただいたういろうの甘さとお抹茶の苦さもとてもマッチしています。

大内:榎本さんがお抹茶をいただいているお茶碗もとても素敵ですね。

玄二さん:このお茶碗は毎月通っている陶芸教室で作ったお茶碗です。手びねりで白と黒を基調に作りました。
美夏さん:茶碗や茶杓といった茶道具には名前をつけます。このお茶碗の銘は、「河豚(ふぐ)」です。色と形が似ているので。

Q.茶の湯の音について教えてください。
美夏さん:例えば、茶室にお客さまが入られるとき、最後の人は躙り口の戸をそっと閉めるのではなく、あえて音を立てて閉めます。戸が閉まる音でお客さま全員が茶室に入られたことがわかります。畳を歩く足袋の擦れる音がしなくなれば、着席されたことが想像できます。お茶を飲む際にも、スッと音を立てて吸いきることで飲み終わったことがわかり、次の準備を始められます。釜の湯が沸く音や、そこに水を差すとシューシューという音がピタッと止まる瞬間があり、まさに音でわびさびを感じます。

Q.大井町にはどんな音があるでしょうか?
美夏さん
:大井町は交通の便がよいからこそ、踏み切りや飛行機の音などがよく聞こえますね。きゅりあん近くの鐘の音も街の音のひとつだと思います。子どもたちが通学路や住宅街で話すにぎやかな声や、仕事帰りのサラリーマンが居酒屋街で盛り上がる声からも、大井町には老若男女、多様な人がいることを実感します。夏場は家の近くの「毒島氷室」では店先でかき氷を味わうことができます。のこぎりで氷を切る音も大好きです。

小林:音は人の記憶に残り、「あの時はあんなことがあったな」と思いを馳せる機会を与えますね。8月24,25日に開催する大井どんたく夏祭りも、私たちのワークショップに参加してくれた方々にとって、思い出に残るようなイベントにできたらと願っています。

岩田玄二さん、美夏さん、本日は本当にありがとうございました!

5.インフォメーションセンター

岩田さんより、イベントの告知です。
NPO法人「喫茶去Cha Know You」は、気軽に気楽に気さくに、どなたでもお茶を楽しむことができる「茶の湯体験」を、2022年の設立以来、毎月開催しています。参加ご希望の方は、ホームページをご覧ください。

また、自作のお茶碗で抹茶を愉しむコラボレーション茶会を一緒に開催した、陶芸教室「陶遊会(とうゆうかい)」も仲間を募集しています。陶芸にご興味のある方は、toyukai840@gmail.com までご連絡ください。
InstagramとFacebookにも茶の湯体験の写真を載せていますので、ぜひフォローをお願いします。

■今回放送した楽曲(選曲者コメント)

・OPテーマ:あいみょん『ハルノヒ』

・乃木坂46で、『おひとりさま天国』
ラジオネーム「コレコレ」さんより、「テレビの音楽ライブ番組を見ていて、みんなで盛り上がった1曲です!」とコメントをいただいております!

・郷ひろみ「男の子女の子」
玄二さん:伊藤中学校(いまの伊藤学園)の後輩にあたる郷ひろみさんのデビュー曲です!

・島倉千代子「人生いろいろ」
美夏さん:同じく大井町出身の島倉千代子さんの代表曲です!

・KALMAで、『素晴らしい毎日』
ラジオネーム「コム」さんより、「一昨年の大井町ラボのオープニングテーマです!」とコメントをいただいております!
次回、第54回放送は、9月4日(水)18時〜です。番組では、リスナーの皆さんからのおたよりを募集しています。
X(旧Twitter)アカウント:@oimachi_lab
公式ハッシュタグ: #大井町ラボ
番組の感想やメッセージ、要望、アイデアなど、どしどしお送りください!
(レポート/慶應義塾大学 総合政策学部2年 小林奈菜)

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