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大井町コミュニティキャンパスプロジェクは、8月26日(木)20時から、多世代型シェアハウス研究会第3回、『育児シェアハウスの課題と価値(前編)』を開催しました。主催は慶應義塾大学SFC研究所上席所員の福澤涼子です。今回は、2組の親子でシェアハウスを営む方々をゲストにお招きして、親が2組いるからこその「育児シェア」や、子どもが2人いるからこその「子どもへの影響」、などを中心にお話を伺いました。

<開催概要>

20:00 「大井町コミュニティキャンパスプロジェクト」の紹介
前回同様、まずは、この研究会の位置付けとして大井町コミュニティキャンパスプロジェクトの紹介を行いました。

20:05  シェアハウスについて定義のすり合わせ(担当:福澤涼子)

1.シェアハウス の定義
本勉強会でのシェアハウスの定義を確認し、参加者の認識を統一させました。定義とは、「リビング、台所、風呂、トイレを協同で利用するShared Housingの形態で、非親族同士が共に住む住居形態」です。

2.問題意識
また、その上で「ワンオペ育児」や「育児不安」といった育児を取り巻く課題について触れて、もっと育児をポジティブに捉えられないか?そのヒントがシェアハウスにはあるのではないでしょうか?

20:10 ゲスト紹介(阿部夫妻・村田夫妻)
今回のゲスト、シェアハウス阿部村(仮)の皆さんをお招きして、シェアハウスでの育児についてお話を伺いました。以下、その概要です(敬称略)。


阿部紘樹&なほ(&娘ちゃん):2012年に千葉県にあるシェアハウス「ARDEN南行徳」で出会い、東北のイルミネーションボランティアを一緒に施行したのをきっかけに交際、2015年結婚。現在は2歳の娘がいる。


村田喜直&奈々絵夫妻(&娘ちゃん):2013年にシェアハウス「ARDEN南行徳」で出会い、2016年に結婚。現在は2歳の娘がいる。

20:20 ゲストトーク
1.シェアハウス の概要について
この2組で、営まれるシェアハウス「阿部村(仮)」!つまり合計6人暮らし。
2018年7月から、世田谷区で4L D Kの1軒家の賃貸物件をシェアしています。以下がその間取り。1軒家シェアなので、プレイルームがあったり、トイレが各階にあったりと住みやすそうです。
子どものプレイルームもあるなんて贅沢!

お子さんも一緒に、ワイワイとお話しいただきました。

2.シェアハウスでの育児。親にとっては、どんな課題や価値がある?
最初のトークテーマは、「親にとって」の育児シェアハウスの課題と価値。

①母親同士、共感しあえること
阿部なほ:私、里帰り出産していたんですけど、全然家族以外の大人と話す機会がなくて。それが、このシェアハウスに住んで、家族以外の大人と話す機会が増えたとか。後、預けて少し外でランチするとか。出産後、初めて預けてランチ行った時にはすごく感動したのを覚えていますね。

村田奈々絵:育休中、「こんなこと大変だったんだよ」と伝えたいのに、夫も疲れて帰って来て、あまり話せる雰囲気じゃない時があると思うんですが、母親が2人いることで「今日、こんなことあってさ〜」と話すと「わかるわかる、私もしんどい」と共感してくれるのが助かりました。

②大人の時間を確保しやすいこと
村田喜直:小さい頃からやっていて、実は今もやっているんですけど、お風呂を2人まとめて入れちゃう。子ども同士一緒に入りたい、という要望が強いのもあるのですが、言い方をあえて悪くすると、1人が犠牲になれば残りの3人の大人が解放されるわけじゃないですか。普通の夫婦だと、1/2で回ってくるのが、1/4で回ってくるということなので、純粋に個人の時間が増えるんですよね。

福澤:確かに。この夏休みも3時間ずつ預けあったとか?(チャットにも「夫婦だけでデートとか行けそう」書き込みが)

村田喜直:そうですね。夏休み中も、僕が朝起きたら「今日、3時間ずつ預けあおうってなったから〜」と言われて。急いで準備して、2人を公園に連れていきました。それで、夕方〜夜は夫婦でフリータイムになったので、17:00まで飲んでいましたね。子ども連れだと行きにくいような、小汚いお店とかでも入れるし。

福澤:わ〜。それは羨ましい。二家族だからこそですね。

③親同士の関係は幼なじみのような、イメージ。
福澤:親同士の関係というのは、「家族」なんですか?それとも「親友」に近い?

村田喜直:決して親友ではないですよね(笑)。きっと、みんな「親友」は別にいるんです。だからと言って、家族ではないし。

阿部なほ:幼なじみの雰囲気が近いかな。幼なじみって、気が合うとか関係なく、近くに住んでいるから、互いのことをよく知れて、流れに身を任せて仲良くなるじゃないですか。そんな感じですかね。

③子どもの成長に過剰に悩まないですむ
阿部紘樹:子どもを育ててると、それが個性なのか異常なのかが若干わからなくなるじゃないですか。いきなり泣いたり、わがままがすごいと、「この子は異常なんじゃないか」って心配になると思うんですけど、2人いるので、「あ〜、この子もいきなり泣いた」とか「この子もわがまま言っている」とか横にいてわかるので、すくすく育っているんだなって安心感がある。

3.シェアハウスでの育児。子どもにとっては、どんな課題や価値がある?

①子どもの発達への影響
村田喜直:うちの子の方が3ヶ月差で先に生まれているんですよ。だから、言葉の習得はもちろん、うちのが早くて。だから、それをみて、阿部さんの子どもが言葉を習得しているということはあると思う。あと、うちの子より阿部さんの子どものほうが、歌がうまかったり、リズムを取るのが上手。その子に影響を受けて、うちの子も歌がちゃんと歌えるようになった気がします。これが保育園だと、うちの子は早生まれで1番小さいので、何をするのも遅れちゃうんですけど、うちの中だとお姉さんぶれる。

②育児方針の違いでトラブルになったりはしない?
福澤:チャットの質問にもありますが、育児の方針の違いでトラブルになったりしないのでしょうか。

村田喜直:そこまで育児方針とか決めていないですし、ないですかね。

阿部紘樹:僕の場合は子どもの前では平等でありたい。阿部家らしく両方に接するようにしている。無茶な遊びをしていても全然注意しなかったりとか(笑)むこう(村田家)の顔色を伺いながらですけど(笑)

村田奈々絵:互いに「こういうことをしていきたい」という明確なものがあるわけではないので。

福澤:では、細かな話ですが、どんなおもちゃを与えるのか、youtubeを見せるのか、お菓子を与えるのか、とかで方針の違いとかありません?

村田喜直:それでいくと村田家は、お菓子とかあまりあげないようにしています。方針と言うよりは、妻も僕もそう言う家庭だったから、自然とそうしている。

福澤:そうだとすると、自分はあげたくないのに、相手家族があげちゃったとか、いかがですか?

村田喜直:そこは「あげちゃった」とか「あげていい?」とか、その都度、報告したり、聞きあっていますかね。それこそ、さっきも「良い子にしていたらゼリーあげるね」って自分の子どもに言っちゃったから、阿部家にも「あげていい?」って聞いたり。

シェアハウス の良さって「多様な価値観を得られる」ことだと思うんです。僕は、シェアハウスに住んだから、結婚に前向きになれたんですよね。だから、ここに住む4人が、価値観とか個性が違うと言うことは理解できています。「○○家」と言うよりも、4人それぞれ個人として違うと思っている。

僕が、以前に教育学とかやっていたから、かもしれませんが、子どもの個性も僕なりに理解しようと思っている。それを見極めて、「怠けているな」と思ったら別に自分の子供とか関係なく、精一杯怒ることもありますね。

福澤:そっか。そうしたら、自分の子供だから怒ろうとかではなくて、平等に接しているんですね。

村田喜直:そう努めている感じですかね(笑)2つの親子で暮らしていると言うよりは、「4人プラス2人」で「6人」で住んでいる感覚でいます。

4.改めて「育児シェアハウス」の価値とは
福澤:最後になりますが、みなさんはなぜシェアハウス生活を続けているのでしょうか。その価値とはなんでしょう?

阿部紘樹:最初は、「子どものため」が大きかったんですよね。1人目だけど、2人目生むかもわからなかったし。生まれた時から、兄弟がいるような暮らしってその子の人生にとって価値がありそうだなって。それで、子どものためにシェアハウス育児をはじめたけれど、今は自分の方が楽しんでいますね。だから、できるだけ長く続けていきたいし、ぜひ続けて拡大もしていきたい。

福澤:拡大というと?

阿部紘樹:こんなに良いことがなぜ理解されていなくて、物件が見つからないのか、いまだに理解できなくて・・だからもっと普及していきたいですね。

村田喜直:僕は、シェアハウスに7〜8年住んでいたんですよね。シェア暮らしが好きなんですよ。自分にとって、刺激が大きな暮らしだから。それが娘にとってもそうだと思う。けど、自分のために続けているというのが大きいかもしれません。

21:00 グループディスカッション
ゲストトークを踏まえて、チームに別れてディスカッションを行いました。1つのチームは、「育児シェアハウスの子どもにとっての影響」を議論するAチーム。2つ目は、「育児シェアハウスの親にとっての影響」を議論するBチーム。

Aチーム(子供への影響)で出た話題(一部)
参加者:シェアハウスで暮らすと家族っていうプライベートと外の切り方が難しくなりそう。そのあたりはどうですか?

村田喜直:今、相手のプライベートの部屋には、子供は立ち入らないようになっている。

参加者:同い年くらいの子供がいる場合、ひょっとしたら問題になるかもということを教えてください。

村田喜直:うちの場合は、幸いなことに女の子同士だったけど、男女だったらもう少し年齢上がったら気になりますよね。あと、男親の方が、他人の女の子の子どもを何歳までお風呂を入れるのとか。あと、これから出てくるだろう問題は、「Youtube」見れる・見れないって、合理的な説明ができにくいじゃないですか。だから、「なんでうちは見れないの?」とか、比べて言ってくることは増えそうですよね。

Bチーム(親について)で出た話題(一部)
参加者:そもそも、相当なコミュニケーション力がないと住めないですよね?

阿部紘樹:確かにそうかもしれません。けど、うちも実際には最初は、「自分ばかり家事をしている」と気持ちが荒れる人もいます。けど、その葛藤を乗り越えると気にしなくなるんですよね。だから、その乗り越えて寛容になっていくということが重要だと思う。

参加者:友人親子とマンションの隣に住むのと、シェアハウスは違いますか?

阿部紘樹:それは全然違いますね。シェアハウスだと、会いたくなくても会わざるを得ないんですよ。けど、その会いたくないときに会うことで生まれる価値みたいなものがシェアハウスにはありますよ。

21:30 終了

クローズしてからも話が絶えず、放課後タイムと称して、23:00過ぎまで雑談をしておりました!「集まったメンバーでラジオなどができないか?」「オンラインでシェアハウスってできると思う?」など、自由気ままに色々なテーマで話しながら夜が更けていきました・・・。

以上が開催レポートです。

以下、参加者のアンケートよりご意見・ご感想の一部をご紹介します。

<参加者アンケートより>

Q:本日の勉強会で最も印象に残ったことはどんなことですか?何か気づきや学びはありましたか?具体的にお聞かせください。

シェアハウスで育児をすると
・子育ての大変さ(身体的にも精神的にも)を少しでもシェアできる
・人と人は価値観が違う前提を持てるので、育児に前向きになれる可能性がある。

育児をしたことのない若者が、子どものいるシェアハウスに住むと育児のやりがいや大変さがわかり、育児のイメージが掴めるのかもしれない。

他人と暮らすことの難しさと、子育てを核家族ですることの難しさのバランスを上手にとることもできる、ということを見せてもらいました。

Q:本日の勉強会で、疑問に思ったこと、登壇者や研究者に質問したいことがありましたらお聞かせください。

非常に有意義な時間を過ごすことができました。グループディスカッションの時間も初めての試みだと思いますが、全員が話に参加できていました。

話せば話すほど、話題は尽きないなぁと思いました。

Q:本イベントの運営に関する感想や改善点などお気づきのことがありましたらお聞かせ下さい。
今後回を重ねるごとに、ますますシェアハウス同士やメンバー同士の関係が深まり、コラボやアウトプットが生まれたら面白いなと思いました。

以上です。改めてご参加いただいた皆さん、誠に有難うございました。

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